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- 04/16 [PR]
- 12/31 目次
- 07/19 23.イワサキさん その2
- 07/12 22.イワサキさん その1
- 07/05 21.カレシが水商売な人だったら
- 06/09 20. カノジョがホステスだったら
Title list of this page
◆◆1から順につながっています◆◆
1 私が貴子だった訳
2 よくある話
3 酔いと勢いと
4 女友達を失った時
5 美代のその後
6 ゴローさん その1
7 ゴローさん その2
8 ゴローさん その3
9 初めての水商売 その1
10 初めての水商売 その2
11 初めての水商売 その3
12 初めての水商売 番外編 〜Y氏の後日談〜
13 りつ子ママと大学の友達 その1
14 りつ子ママと大学の友達 その2
15 りつ子ママと大学の友達 その3
16 りつ子ママと大学の友達 その4
17 りつ子ママと大学の友達 その5 三宮ラウンジS OPEN
18 りつ子ママと大学の友達 その6
19 りつ子ママと大学の友達 その7
20 カノジョがホステスだったら
21 カレシが水商売な人だったら
22 イワサキさん その1
23 イワサキさん その2
1 私が貴子だった訳
2 よくある話
3 酔いと勢いと
4 女友達を失った時
5 美代のその後
6 ゴローさん その1
7 ゴローさん その2
8 ゴローさん その3
9 初めての水商売 その1
10 初めての水商売 その2
11 初めての水商売 その3
12 初めての水商売 番外編 〜Y氏の後日談〜
13 りつ子ママと大学の友達 その1
14 りつ子ママと大学の友達 その2
15 りつ子ママと大学の友達 その3
16 りつ子ママと大学の友達 その4
17 りつ子ママと大学の友達 その5 三宮ラウンジS OPEN
18 りつ子ママと大学の友達 その6
19 りつ子ママと大学の友達 その7
20 カノジョがホステスだったら
21 カレシが水商売な人だったら
22 イワサキさん その1
23 イワサキさん その2
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ある日、イワサキさんとヒロと3人で食事をすることになった。
「イワサキさんが 今度貴子も一緒にメシ食おうって」とヒロは言う。
他のお客様でも こういうことは時々あり
ヒロと私のことは 当然伝わっていない前提で参加するのが常だった。
「新地に連れていってくれるらしいから、服、かっこいいの着てきてな」
へえ、新地かぁ。
3人で待ち合わせ、新地の串焼き屋「雲仙」へ。
もちろん初めてのお店。
新地という場所には それまでにも何度か連れていっていただいており
どの店も 学生の私には場違いな敷居の高さを感じる。
連れてきてくださった方に せめて恥をかかしてはいけない、と
大人として求められていると想像する振舞いをしてきた。
続けていた茶道の所作が 思いのほか役に立つ。
「雲仙」はおまかせ&ストップのスタイル。
串焼きはとてもシンプルはいえ
あらゆる野菜と魚介類・肉の 想像もしない組合せに工夫があり
丁寧に下準備されているのがわかる。
馴染みの食材でも 今まで食べてきたものとは 全く違う味わいで供され
これがイカなの、こんな玉ねぎは初めて、と
ひと串食する度に感嘆の声をあげた。
イワサキさんは関西人らしく 小ネタを散りばめながら話をする。
美味しく楽しく笑いながら時間が過ぎる。
焼いているだけなのに 串の味わいは多種多様で飽きることがない。
お腹はそこそこ満ちてきても 次に出てくるものの好奇心が優勢で
ストップと言うことができない。
イサワキさんが「今日 ヒロくんに頼んで貴子ちゃんに来てもらったのはな、」と
おもむろに話題を変えたのは そんなタイミングだった。
◆◆◆ 目次 ◆◆◆
「イワサキさんが 今度貴子も一緒にメシ食おうって」とヒロは言う。
他のお客様でも こういうことは時々あり
ヒロと私のことは 当然伝わっていない前提で参加するのが常だった。
「新地に連れていってくれるらしいから、服、かっこいいの着てきてな」
へえ、新地かぁ。
3人で待ち合わせ、新地の串焼き屋「雲仙」へ。
もちろん初めてのお店。
新地という場所には それまでにも何度か連れていっていただいており
どの店も 学生の私には場違いな敷居の高さを感じる。
連れてきてくださった方に せめて恥をかかしてはいけない、と
大人として求められていると想像する振舞いをしてきた。
続けていた茶道の所作が 思いのほか役に立つ。
「雲仙」はおまかせ&ストップのスタイル。
串焼きはとてもシンプルはいえ
あらゆる野菜と魚介類・肉の 想像もしない組合せに工夫があり
丁寧に下準備されているのがわかる。
馴染みの食材でも 今まで食べてきたものとは 全く違う味わいで供され
これがイカなの、こんな玉ねぎは初めて、と
ひと串食する度に感嘆の声をあげた。
イワサキさんは関西人らしく 小ネタを散りばめながら話をする。
美味しく楽しく笑いながら時間が過ぎる。
焼いているだけなのに 串の味わいは多種多様で飽きることがない。
お腹はそこそこ満ちてきても 次に出てくるものの好奇心が優勢で
ストップと言うことができない。
イサワキさんが「今日 ヒロくんに頼んで貴子ちゃんに来てもらったのはな、」と
おもむろに話題を変えたのは そんなタイミングだった。
◆◆◆ 目次 ◆◆◆
芦屋のお店は 連日オープンからクローズまで 盛況だった。
盛り上がるから楽しいのか、楽しいから盛り上がるのか、
にわとり&玉子の議論が起こる時間もないほど
店は忙しく 活気にあふれていた。
ある日 イワサキさんという初めての方が一人でご来店された。
空席は カウンターに1席しかなく
ヒロが「広い席が空きましたらご案内しますので」と手際よくセッティングすると
忙しそうやなあ、と満足そうにつぶやき ボトルを選んだ。
女の子たちは既に各席に振り分けられてしまっていた後。
そんな時はヒロの出番。
初対面から馴染みまで、ヒロはその距離をとるのが上手い。
体育会で鍛えられた上下礼節を含めて お客様の居心地をぐっと良いものにするのは
商売上素晴らしい特性である。
店の中が少し落着き、私がカウンターのイワサキさんの前に立った時には
彼らは車の話ですっかり盛り上がっていた。
それからイワサキさんは 定期的にご来店されるようになった。
ヒロと話し込むのが一番の楽しみのように見えた。
イワサキさんの歳の頃は30代後半。
いつもポロシャツなスポーツカジュアルだけど ゴルフ三昧なタイプには見えない。
席についた時に 仕事について軽く振ってみたら 見事にかわされた。
それ以上聞くなオーラを感じた私は 以来 直接聞いたことはない。
程なく イワサキさんはヒロと店外でも会うようになった。
いつもなら 私と一緒にいるタイミングに
「イワサキさんと約束あるから」と言われることが増えた。
◆◆◆ 目次 ◆◆◆
盛り上がるから楽しいのか、楽しいから盛り上がるのか、
にわとり&玉子の議論が起こる時間もないほど
店は忙しく 活気にあふれていた。
ある日 イワサキさんという初めての方が一人でご来店された。
空席は カウンターに1席しかなく
ヒロが「広い席が空きましたらご案内しますので」と手際よくセッティングすると
忙しそうやなあ、と満足そうにつぶやき ボトルを選んだ。
女の子たちは既に各席に振り分けられてしまっていた後。
そんな時はヒロの出番。
初対面から馴染みまで、ヒロはその距離をとるのが上手い。
体育会で鍛えられた上下礼節を含めて お客様の居心地をぐっと良いものにするのは
商売上素晴らしい特性である。
店の中が少し落着き、私がカウンターのイワサキさんの前に立った時には
彼らは車の話ですっかり盛り上がっていた。
それからイワサキさんは 定期的にご来店されるようになった。
ヒロと話し込むのが一番の楽しみのように見えた。
イワサキさんの歳の頃は30代後半。
いつもポロシャツなスポーツカジュアルだけど ゴルフ三昧なタイプには見えない。
席についた時に 仕事について軽く振ってみたら 見事にかわされた。
それ以上聞くなオーラを感じた私は 以来 直接聞いたことはない。
程なく イワサキさんはヒロと店外でも会うようになった。
いつもなら 私と一緒にいるタイミングに
「イワサキさんと約束あるから」と言われることが増えた。
◆◆◆ 目次 ◆◆◆
ヒロの弟K史くん、次いでその友達S田くんが
芦屋の店にバイトで入ってきた。
S田くんの前のバイト先は 苦楽園のtrue blueというバー。
彼はヒロの部活の後輩で、私はヒロと何度もその店に訪れていた。
そこの従業員は全員男性。全員イケメン。学生バイトが半分。
ショットバーなので気軽に利用できる。
ホストクラブではなく メンズは席での接客はしないけれど
メインターゲットは若い女性で 大半は誰かを目当てに来るタイプのお店。
S田くんはカノジョに対し バイト先がメンズバーであることは内緒にしていた。
内緒にしていたというのは カノジョがそれを理解するタイプでないということ。
バレた日には 激怒&号泣で大騒ぎだったという。
もう二度とそういう店ではバイトしない、と約束をし
ヒロとK史くんを頼って芦屋のラウンジAにやってきたという経緯。
この話を不思議な気持ちで聞いていた。
そうか、カノジョとしてはイヤなんだ、そういうの。
私はカレシがもてるのがイヤじゃないからなあ。
ーーーーー
先日、輸入車ディーラーの店頭に立つS田くんと偶然出会った。
当時のカノジョと結婚してお子様にも恵まれたという。
私の隣にいるのはヒロではなかったので 彼からの質問は言葉少なく。
元気そうで何より。
◆◆◆ 目次 ◆◆◆
芦屋の店にバイトで入ってきた。
S田くんの前のバイト先は 苦楽園のtrue blueというバー。
彼はヒロの部活の後輩で、私はヒロと何度もその店に訪れていた。
そこの従業員は全員男性。全員イケメン。学生バイトが半分。
ショットバーなので気軽に利用できる。
ホストクラブではなく メンズは席での接客はしないけれど
メインターゲットは若い女性で 大半は誰かを目当てに来るタイプのお店。
S田くんはカノジョに対し バイト先がメンズバーであることは内緒にしていた。
内緒にしていたというのは カノジョがそれを理解するタイプでないということ。
バレた日には 激怒&号泣で大騒ぎだったという。
もう二度とそういう店ではバイトしない、と約束をし
ヒロとK史くんを頼って芦屋のラウンジAにやってきたという経緯。
この話を不思議な気持ちで聞いていた。
そうか、カノジョとしてはイヤなんだ、そういうの。
私はカレシがもてるのがイヤじゃないからなあ。
ーーーーー
先日、輸入車ディーラーの店頭に立つS田くんと偶然出会った。
当時のカノジョと結婚してお子様にも恵まれたという。
私の隣にいるのはヒロではなかったので 彼からの質問は言葉少なく。
元気そうで何より。
◆◆◆ 目次 ◆◆◆
別にキャバ嬢でもいいのだけど
私がキャバクラシステムのお店で仕事はしたことがないので。
ヒロと知り合ったのは芦屋のラウンジA、一種の職場恋愛なので
最初から私はホステスだった。
仕事中は 彼の目の前で私はお客さんの横に座り 楽しげにふるまうこととなる。
イヤじゃないのかな、と思ったこともあったけれど
ヒロは 私が媚びるタイプでないことを知っているし
何よりも お客様から人気があることをとても喜ぶ人だった。
同伴するときも ラウンジAのお客さんなら ヒロは100%把握していたので
美味しい店だったら教えてな、とか
やらしいことされたら言うんやで、など イヤごとは何も言わないので
私は何も隠す必要がなかった。
バイトを離れたヒロは、都合が合う限り 私をどこにでも連れていった。
部活の試合、友達とのランチ、 家族でどこかに行く時等々。
飲み物を配ったり お祝い事で花を届けたり、
汚れた灰皿はめざとく替えたり、ということを ついやってしまうのを
「友達のカノジョ連中で一番気が利く」と自慢する人だった。
私が水商売のバイトをしていることは 伏せていた。
話が前後するが、彼の家にも嘘みたいに早い段階で連れて行かれ
いきなり夕食をいただき ヒロのお父さんと一升瓶をあけて盛り上がり
「ヒロの新しいカノジョは酒が強い」と
九州男児なヒロのお父さんにとても気に入られた。
それをまた嬉しそうに友達に話すヒロ。
ヒロがいやがることは、ヒロと一緒でない時の私の帰宅が遅くなること。
「女の子が何かあったらどうするねん」とのこと。
完全に保護者だった。
飲み屋で仕事をしているくせに
「毎日毎日こんなところでお金使うんだったら、俺なら
自分の彼女とか 結婚してたら嫁さんに金使うぞ」とよく言っていた。
黒服とホステスのバイトでは、明らかに黒服の方が少ないのだが
ヒロもやまちゃんも それぞれに人気があり
「これでカノジョと美味しいもの食べや」とチップを下さるお客さんも多かった。
そして チップをもらうと あそこに行こう、ここに行こう、と
一緒に楽しむことに使っていた。
表裏のないプラス思考で体育系。ヒロはそんな人。
好きな人に対して どきどきするばかりだった私は
初めて 好きな人と一緒に過ごすことの心地よさを知った。
◆◆◆ 目次 ◆◆◆
私がキャバクラシステムのお店で仕事はしたことがないので。
ヒロと知り合ったのは芦屋のラウンジA、一種の職場恋愛なので
最初から私はホステスだった。
仕事中は 彼の目の前で私はお客さんの横に座り 楽しげにふるまうこととなる。
イヤじゃないのかな、と思ったこともあったけれど
ヒロは 私が媚びるタイプでないことを知っているし
何よりも お客様から人気があることをとても喜ぶ人だった。
同伴するときも ラウンジAのお客さんなら ヒロは100%把握していたので
美味しい店だったら教えてな、とか
やらしいことされたら言うんやで、など イヤごとは何も言わないので
私は何も隠す必要がなかった。
バイトを離れたヒロは、都合が合う限り 私をどこにでも連れていった。
部活の試合、友達とのランチ、 家族でどこかに行く時等々。
飲み物を配ったり お祝い事で花を届けたり、
汚れた灰皿はめざとく替えたり、ということを ついやってしまうのを
「友達のカノジョ連中で一番気が利く」と自慢する人だった。
私が水商売のバイトをしていることは 伏せていた。
話が前後するが、彼の家にも嘘みたいに早い段階で連れて行かれ
いきなり夕食をいただき ヒロのお父さんと一升瓶をあけて盛り上がり
「ヒロの新しいカノジョは酒が強い」と
九州男児なヒロのお父さんにとても気に入られた。
それをまた嬉しそうに友達に話すヒロ。
ヒロがいやがることは、ヒロと一緒でない時の私の帰宅が遅くなること。
「女の子が何かあったらどうするねん」とのこと。
完全に保護者だった。
飲み屋で仕事をしているくせに
「毎日毎日こんなところでお金使うんだったら、俺なら
自分の彼女とか 結婚してたら嫁さんに金使うぞ」とよく言っていた。
黒服とホステスのバイトでは、明らかに黒服の方が少ないのだが
ヒロもやまちゃんも それぞれに人気があり
「これでカノジョと美味しいもの食べや」とチップを下さるお客さんも多かった。
そして チップをもらうと あそこに行こう、ここに行こう、と
一緒に楽しむことに使っていた。
表裏のないプラス思考で体育系。ヒロはそんな人。
好きな人に対して どきどきするばかりだった私は
初めて 好きな人と一緒に過ごすことの心地よさを知った。
◆◆◆ 目次 ◆◆◆