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貴子という名前での生活がありました
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大学時代、 夜の街にいた。

友達の美恵が 水商売のバイトを始めた。
程なく 遊びにおいで、 と 声がかかったので
飲むのが好きな私は ほいほいと出向いた。
そして そこのママに 口説かれたのだ。
どうやら美恵は 新しい女の子を紹介する、 と 言っていたようだ。


名前、 どうする? と聞かれ
本名は イヤだ、 と咄嗟に思った。
美恵は ママの聞き間違いから 「美代」 になっていた。

働く話がまとまったものの
初めての水商売に 私はかなり腰を引いていた。
学校も年齢も内緒にして欲しいと お願いしといて
本名で店に出るつもりはない。

考えた挙句 貴子 になった。
私が生まれて 名前を付ける時、
本名と 最終的に一騎打ちになったと聞かされていた名前である。

その日から 週に数度、その店の中だけで
私は貴子になった。

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