忍者ブログ
貴子という名前での生活がありました
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

無性に腹が立って 何も言わずに車を降りた。
交通量の少ない時間ではあったが 国道なのでタクシーはつかまるだろう。
気分的には 勢いよくずんずん歩きたいのに よろよろだ。
酔って 疲れて 眠たくて。

Y氏が のたのたと追いかけてきた。
彼も 酔ってるし 疲れているし 眠たいのだ。
待ってくれ、 と 腕をつかまれた時 急に悲しくなった。

触らないで、 手ぇ 離して。
娘の話まで出しといて・・・

怒涛の勢いで怒鳴りたいのに 声は思いのほか小さく
だんだんと泣き崩れて 何を言っているのかわからなくなった。
蹴飛ばそうとして パンプスはあらぬ場所に飛んでいってしまった。
この時 Y氏が どんな顔をして どんな反応をしたのかは 覚えていない。

翌朝...すっかり昼だったが 目覚めると そこは自宅のベッドだった。
ちゃんと化粧も落としていたし 着替えてもいた。
パンプスも両足分揃っている。
頭が痛い。
母の目が冷たい。
夕方 早い時間に店に行き、 マネージャーとママに やめることを告げた。
すっかり懲りていた。
理由は 親バレということにしておいたが
そんな言い訳は やめる側の常套句なのだろう。
ママは 私が他の店に引き抜かれたかどうかばかりを 気にしていた。

もう たくさんだ。


5日分のバイト代は 後日、 お店の指定する給料日に取りに行った。
そこで再びママに 引抜き云々の探りを入れられた。
ママもしつこいなー、 と 店を出て 生田ロードの喫茶店・上高地に入り
周りに見えないように バッグの中で こそこそと給料袋を開けてみた。
・・・・・!
5日でコレ?
慌てて明細をみる。
最初に提示された金額より 時給が1000円も高く計算されている。
今なら 引抜き防止対策だとわかるのだが
現金を見た私は 辞めたことに舌打ちした。
ちっ...

それでもこれは 思い出バイトで、
水商売を再びしようとは考えていなかった。

初めての水商売の話は これで終了。
◆◆◆ 目次 ◆◆◆
PR
PREV ←  HOME  → NEXT
Copyright (C) 2025 私が貴子だった頃 All Rights Reserved.
Photo by 戦場に猫 Template Design by kaie
忍者ブログ [PR]