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貴子という名前での生活がありました
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水商売は、 学生バイトとしては やはり実入りが激しく良い。
服の趣味は 元々派手めが好きとはいえ
生活そのものは質素だった。
親元にいたし。
ちょっと割のいいバイト料程度の金額を手元に残して、
証券会社の投資商品を買う形で貯金していた。

だけど 水っぽい雰囲気がにじみ出てしまうのか、
芦屋の店で働きだして数ヶ月経った頃、
大学の下宿組の友達3人が 私のバイトを知りたがった。
一人の下宿先で 吊るし上げられて白状したら
「私もやりたいなあ」 と 異口同音。
そして次には
「どこか 私でも働けそうなところ、 ない?」 と 異口同音上書き。

Y氏と知り合ったクラブMのホステスりつ子さんから
三宮でお店を出すので手伝って欲しい、 と 言われた時期だったので
その話をすると 3人とも乗り気。
「素人っぽさ」 は ひとつのキャラとして売りになる。

りつ子さんの店といっても 大手レジャー会社が企画した シリーズ展開の店の一つで
彼女は雇われママをするに過ぎない。
私の目から見ると 大手資本の店ならば トラブル事が少ないだろうと
友人を紹介しやすかったのだ。


というのも、 かつてのクラブMで
りつ子さんと私が控え室で雑談を交わしていたら
マネージャーがあわてて私を物陰に呼びつけ
りつ子さんは金銭関係について要注意人物だから
深く関わってはいけない、と懇願されるように言われたことがあり
りつ子さんの 「手伝って」 は 気の重い申し出だったのだ。

美代に誘われて働き出した芦屋の店を言い訳に渋ると
「じゃ オープニングだけ」 とゴリ押しされたのだった。


さて、 友人3人を りつ子さんに紹介したわけだが
そこで りつ子さんに 「これからは ママと呼んで」 と 強く言われた。
そして 紹介した3人のうち、
1人はOK、 1人はオープニング3日間だけ、 1人はいらない、 との結論。

「もし 友達と一緒じゃなきゃイヤだ、 というのなら 3人とも来なくて結構。
 厳しいけれど 給料もらって仲良しごっこはできへんのよ。 今決めて」と
ばしっと 言われて その通りとなった。

3人とも 水商売の面接とあって、 可能な限り大人っぽい服に化粧で来たのだが
雇用が決まった二人は
「服も化粧も 素人っぽいというより いもくさい」 と
けちょんけちょんに言われ 「服買いにいくよ」と 連れて行かれた。
「いらない」と言われた一人の子と私がその場に取り残されたが
一緒にい辛かったので 「買物したいから」 と そそくさと逃げた。
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