忍者ブログ
貴子という名前での生活がありました
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

酔っててあまり覚えていないのだが
ヒロを口説いたのは 私らしい。

その数ヶ月前 私は付き合っていた男と
ひどい別れを経験していた。
ヒロも 同じ頃 付き合っていた娘と 別れたとのこと。

経緯は覚えていないながらも
ホテルに入る前、
「美代の気持ち 知ってるんでしょ?」 と
不安げに 聞いたことは覚えている。
「・・・知らなかった。
でも今 俺は貴子と一緒にいたいからここにいる」


勢いと酔いと。
詳細は覚えていないながらも
心地よかった記憶はある。

だけど 朝 目がさめて心の中で呟いたのは
「しまった」 だった。
心地よさに引きずられると イヤな思いをするだろう。
勢いと酔いの結果なのだから。
これから 店で顔を合わせても
何もなかったような顔をしよう。
美代のことは別だ。
私が大切なのは 私自身だもの。

ところが 次に店に入った時
ヒロは 何気ない顔でお尻を触ってきた。
きっと睨むと 無邪気に微笑む。
その日 ヒロは店が終わると
家まで送ってくれた。

「ヤリ逃げする気はないよ。大事にするよ。」 と。

◆◆◆ 目次 ◆◆◆
PR
PREV ←  HOME  → NEXT
Copyright (C) 2025 私が貴子だった頃 All Rights Reserved.
Photo by 戦場に猫 Template Design by kaie
忍者ブログ [PR]