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貴子という名前での生活がありました
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ヒロの通う大学は 私の通っていた大学と そう離れておらず、
車で通学していたヒロは 空き時間に遊びに来たり
お昼ご飯を誘いに来たりして
マメに一緒にいる時間を 作ろうとする。
「お互いのこと、 何も知らないから」 と ヒロは言う。
それを埋める為に 時間を使うのだと。

妙な形で始まった私とヒロだが
ヒロのおかげで 「知らないこと」 は 急速になくなっていき
お互いにとって 大切な人となった。


美代には 二人のことは言わなかった。
彼女だけではなく、 店の関係者には誰にも言わなかった。

やがて 美代はヒロに接近し始めた。
「美代ちゃん、 かわいいけど元々タイプじゃないし
 俺は今 貴子が好きなんや」 と ヒロは私に言った。
美代は直球を投げるタイプではなく、
ヒロも 適当に態をかわすことしか出来ない状態だったが
ある日 煮詰まった美代が たまらず直球を投げてきたとき、
ヒロは 私とのことを告げた。

美代は ショックで店をしばらく休んだ。
私は フォローの電話を入れようとしたが
「こじれるだけやで」 と ヒロは止めた。
そして私は 友達としての美代を失った。

ヒロとの始まりの話は ここで終了。
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