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- 12/31 目次
- 07/19 23.イワサキさん その2
- 07/12 22.イワサキさん その1
- 07/05 21.カレシが水商売な人だったら
- 06/09 20. カノジョがホステスだったら
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貴子として働いていると タマには血迷ったお客さんにも会う。
水商売のオンナなのだから わざと誤解させるような言動を取るので
ある程度の地点までは 出来レースのようなものだが。
ゴローさんは 『粋に遊ぶ』を モットーとした人物。
着るものも これ見よがしなブランド&光物 ではなく
いいモノをさりげなく、 といったタイプで
とても清潔そうな印象だった。
話の内容も 明るい下ネタから宇宙の神秘まで幅広く、
すっかり興味深く聞き役になっていることも多かった。
そして同時に とてつもなく高いプライドが
ちらほらと見え隠れしていた。
こういうタイプのお客さんには
汚れキャラは ウケが悪い。
ポイントは 『知性』と 『育ちのよさ』である。
残念ながら どちらも いわゆる「ふつー」 ではあったが
はったりだけは得意な私は ゴローさんから合格点をいただいたらしい。
何度か 同伴をしていただき、
店の中では決して明かさない 私の素性の片鱗(当然嘘も含む)を見せていくと
ある日 店を休んでお出かけしましょう、 の誘いがかかった。
毎日 店に出ているわけでもないので
まぁいいや、 てな感じで。
・・・というより ゴローさんなら きっと素敵なところに
連れて行ってもらえるという期待感と
話をすること自体が 楽しみでもあったので。
待合せ場所から車に乗ろうとすると
助手席にリボンのかかった箱があった。
「時計なくしたって言ってたやろ?」
・・・嬉しさ半分、 イヤな予感が半分。
しかし後者は決して見せず 大喜びを装う。
箱の中身は ゴローさんが愛用している時計の女性用だった。
なんだか もっとイヤな予感。
ヒロになんて言おう、 と 頭の隅をよぎった。
車は高速道路に乗る。
行き先を聞いていなかったので 素朴に聞いてみると
「琵琶湖眺めながら食事でもしよう」
・・・何かあっても電車で帰れるわね。
それでも 車の中、 二人きりの空間でそれなりに会話がはずむ。
途中、 ヘヴィスモーカーでもないゴローさんが
煙草を吸い始めた。
そしてその吸殻を 窓の外に ぽいっと捨てた。
「ゴローさん、 それはダメですよ」
和気藹々とした会話を遮って 言ってしまった。
はっとして 一瞬口ごもったゴローさんは
「キミは本当に いい子だね」 と
顔をこちらに向けて 熱い視線を送ってくる。
運転中は 前 見て欲しい・・・
到着したのは大津プリンスホテルだった。
しかも 部屋取ってるやんか、 おっさん。
◆◆◆ 目次 ◆◆◆
水商売のオンナなのだから わざと誤解させるような言動を取るので
ある程度の地点までは 出来レースのようなものだが。
ゴローさんは 『粋に遊ぶ』を モットーとした人物。
着るものも これ見よがしなブランド&光物 ではなく
いいモノをさりげなく、 といったタイプで
とても清潔そうな印象だった。
話の内容も 明るい下ネタから宇宙の神秘まで幅広く、
すっかり興味深く聞き役になっていることも多かった。
そして同時に とてつもなく高いプライドが
ちらほらと見え隠れしていた。
こういうタイプのお客さんには
汚れキャラは ウケが悪い。
ポイントは 『知性』と 『育ちのよさ』である。
残念ながら どちらも いわゆる「ふつー」 ではあったが
はったりだけは得意な私は ゴローさんから合格点をいただいたらしい。
何度か 同伴をしていただき、
店の中では決して明かさない 私の素性の片鱗(当然嘘も含む)を見せていくと
ある日 店を休んでお出かけしましょう、 の誘いがかかった。
毎日 店に出ているわけでもないので
まぁいいや、 てな感じで。
・・・というより ゴローさんなら きっと素敵なところに
連れて行ってもらえるという期待感と
話をすること自体が 楽しみでもあったので。
待合せ場所から車に乗ろうとすると
助手席にリボンのかかった箱があった。
「時計なくしたって言ってたやろ?」
・・・嬉しさ半分、 イヤな予感が半分。
しかし後者は決して見せず 大喜びを装う。
箱の中身は ゴローさんが愛用している時計の女性用だった。
なんだか もっとイヤな予感。
ヒロになんて言おう、 と 頭の隅をよぎった。
車は高速道路に乗る。
行き先を聞いていなかったので 素朴に聞いてみると
「琵琶湖眺めながら食事でもしよう」
・・・何かあっても電車で帰れるわね。
それでも 車の中、 二人きりの空間でそれなりに会話がはずむ。
途中、 ヘヴィスモーカーでもないゴローさんが
煙草を吸い始めた。
そしてその吸殻を 窓の外に ぽいっと捨てた。
「ゴローさん、 それはダメですよ」
和気藹々とした会話を遮って 言ってしまった。
はっとして 一瞬口ごもったゴローさんは
「キミは本当に いい子だね」 と
顔をこちらに向けて 熱い視線を送ってくる。
運転中は 前 見て欲しい・・・
到着したのは大津プリンスホテルだった。
しかも 部屋取ってるやんか、 おっさん。
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